コロナになってしまいました。
とりあえず今は発症から1週間が経ち症状も治まったので、この1週間にあったことを記録します。
※本文中のみっちーというのは、5月に生まれた娘(美智)のことです。
日曜日。
朝から喉にイガイガとした違和感があり、鼻が詰まっている。
7月の初めから本格的にダイエットを始め、食事制限と筋トレとで1ヶ月に8キロぐらい、体重は順調に落ちていた。
昨日は年に一度の大腸内視鏡検査があったので、金曜日の晩から絶食し、大量の下剤を飲んで胃と腸の中は一度空っぽになっていた。
大腸内視鏡検査では、小さなポリープが3つ見つかり、これを切除もしていた。
そんなこんなで、少し免疫力が落ちていたのかもしれない。
風邪かな、と思い熱を測ってみたら、38度。まあまあちゃんとした発熱。その日は予定していたジムをキャンセルし、一日ゆっくり過ごした。
月曜日。
朝になれば熱も下がりケロッと治っているだろうと思っていたのだが、喉は痛いし鼻水も出る。熱を測るとまだ38度あり、午後から出なければならないミーティングがあったのだが、これは家からリモートで参加させてもらうことにして、仕事は休むことにした。
仕事を休むといっても、家でダラダラしているわけにもいかぬ。みっちーのオムツを替えたり、泣くのをあやしたり、飯の準備をしたりしているだけで、時間はあっという間に過ぎていく。夕方にはみっちーと一緒に風呂に入るので、一日の終わりが早い。9時にはもうやることがなくなってしまう。
火曜日。
もともと健康診断で仕事は休みにしていたのだが、昨晩早く寝たので6時には目が覚めた。
トイレで尿と便を取り、カーテンを開けて朝日を浴びる。熱を測ると37度2分。昨日より熱は下がっているので身体は少し楽になったが、そもそもこの状態で健康診断になんか行って良いものか。電話受付の始まる8時を待って、一昨日から発熱している旨を伝えると、そんな状態で来るなと言うので健康診断はキャンセルして、1ヶ月後の予約を取り直す。
さて、この状態で、明日から出社して良いものか。ちゃんと病院に行って検査を受け、ただの風邪であることを確かめておかねばなるまいと、いつも腰痛と血圧の薬をもらっている病院に電話をして、熱があるが診てもらえるか尋ねたところ、10時半に来るようにと時間を指定されたので、10時半ちょうどぐらいに病院へ行った。
いつもなら診察券を出して待合室の長椅子に座ってスマホをいじるなどするのだが、今日は先ほど電話した旨を告げると受付横の倉庫みたいな取調室みたいな部屋へすぐに案内され、ここで待機するようにとのこと。隔離。
しばらく待っていると、フェイスガードと手袋で完全防備したベテランの看護師さんが現れ、鼻の奥に細い綿棒のようなものを突っ込む。
「コロナ陽性ですね」
検査というからもう少し時間がかかるのかと思っていたが、1分もしないうちにコロナ陽性を告げられ、証拠にクッキリと二重線の出ている検査キットを見せられた。
コロナ陽性。
そこからは、会計も受付へ行くことなく完全防備の看護師さんがその場で対応。お金は差し出されたビニール袋に入れ、お釣りと領収書はトレーに乗せて渡される。会計が済むと、待合室にいる他の患者さんの目を避けるようにこそこそと倉庫みたいな部屋から抜け出す。2軒隣の薬局まで看護師さんがついてきてくれて、処方箋は看護師さんから薬剤師さんに直接渡してくれた。そのまま薬局の外で待つように言われ、刺すような夏の太陽にさらされながら、薬局の外で薬を待つ。しばらくすると先ほどの病院と同じように、直接触れないようビニール袋の中にお金を入れ、薬を渡された。
検査の結果が告げられるとすぐに、嫁はんにはLINEでコロナ陽性であったことを知らせてはいたのだが、帰るとこれからは寝室で生活するようにと言われ、パソコンと何冊かの本とノートなどを持ち込も、寝室での隔離生活が始まった。
まあ、自分がコロナになってしまったことは仕方がないし、今のところ症状はそう重くないので構わないのだが、嫁はんと、なによりまだ生まれて3ヶ月も経っていないみっちーにうつすわけにはいかない。
パソコンやノートや本をベッドの周りに並べていると、ちょっとした秘密基地を作っているようで、それなりに楽しくもある。
少し仕事をして、普段読みたくても時間がなくて読めない本を読み、あとで映画でも観ようとApple TVで面白そうな映画をいくつかピックアップするなどして午後を過ごすなどしているうちに、いつの間にか眠ってしまっていた。
19時。嫁はんが寝室の扉をノックする。扉の外に晩御飯を置いておいたから食べるように。と言って、リビングの方に戻っていった。ご飯と、鮭の焼いたのと、サラダと味噌汁。
ただでさえみっちーのお世話で疲れているところ、おっさんの世話までさせてしまって本当に申し訳ないと、少し泣きそうになりながら飯を食い、食べ終えた食器をまた扉の外に置いた。
部屋の向こうからはみっちーの泣き声とみっちーを寝かしつけるオリジナルソングを歌う嫁はんの声が聞こえてくるものの、行って抱っこするわけにもいかず、悶々としながらスマホの画面を無意味に眺めるなどして、23時ごろ眠りに就いた。
23時30分。ようやくうとうとしかけたころ、嫁はんが少し焦った様子で寝室の扉を開けて、話しかけてきた。
「みっちー熱ある。38度4分や」
ああ! 恐れていたことが意外と早く現実になってしまった!
昼に病院から帰ってきて隔離はされてはみたものの、それまで抱っこしたり遊んだりおむつを替えたり、一緒にお風呂に入ったりしたもんね。
生後2ヶ月半で、子どもの発熱は初めてのこと。38度以上の発熱に焦りつつ、嫁はんは既に病院に電話をして、救急で診てもらえるよう手配をしている。もはや隔離も意味がないので、リビングに出て病院に行くための荷物を確認。保険証、母子手帳、予備のミルク、オムツなどをまとめたバッグと財布を背負い、いつも以上に安全運転を心掛けて、車で病院へ向かった。
病院に着いて、救急窓口で子どもが発熱している旨を伝えるとすぐに診察室へ通され、しばらく待たされた後、まだ20代と思われる若い先生が対応に出てきてくれた。
「熱はいつごろから?」「水分は取ってますか?」「持病はありますか?」
ひとつひとつ丁寧に問診を受ける。
ちなみにこのとき俺は、おでこに熱冷却シートを貼りつけ、両手には薄いナイロンの手袋をしていた。
「お父さんは、昨日、コロナ陽性と診断されたんですね。ということは、おそらくお子さんもコロナだと思います。」
うん。俺もそう思う。
抗原検査の結果、みっちーにもやはりしっかりとコロナ陽性という診断がおりた。
「私も検査してもらえませんか?」
嫁はんが尋ねてみたが、今のところなんの症状もなく元気な嫁はんを検査することはできないとのこと。薬局でみっちーの薬をもらって、その日は病院から帰ってきた。
水曜日。
夜中に帰ってきて俺はすぐに寝てしまったが、嫁はんは朝までみっちーのお世話をし、保冷剤をガーゼでくるんだ氷枕を1時間おきに取り替えるなどしていて、あまりよく寝ていないようだった。
昨日はワンオペでの育児に加え、おっさんの世話までするようになってしまい、気が張っていたから平気な顔をしていたが、身体的にも精神的にもかなり疲れがたまっていたに違いない。毎日楽しみにしている大谷選手の試合をテレビで流しながら、すやすやと眠っている。
今となっては子どもへの感染を心配する必要もないので、この日はみっちーを思いっきり抱っこして過ごすことにした。本当は仕事もしなければならなかったのだけれど、そんなことを言っている場合ではない。
買い物に行くわけにもいかないので、ネットスーパーで冷凍うどんや菓子パン、カップ麺などを大量に購入。一応ダイエット中なのでこの1ヶ月はけっこうちゃんと食事制限をしていたのだが、そうも言ってられないし、どうせならこの巣ごもり生活を楽しんでやろうと、Uber Eatsでハンバーガーととポテトを注文してこれを食べるなどして過ごした。
木曜日。
朝起きてリビングに出ると、嫁はんが少し咳をしている。熱はなく、元気だと言ってはいるが、多分そうなのだろう。
自分はコロナには罹らない。いや、実はコロナが流行する2020ねんより前に自分は中国に出張し、体調の悪い日が何日か続いたのであの時に既に罹っていて自分には抗体がある。などという謎理論を繰り広げていた嫁はんであったが、咳は次第にひどくなっていく。
午後の診察が始まる15時を待ち、火曜日に俺が診てもらった病院に電話をかけ、嫁はんは病院へ向かった。30分ほどしてLINEが届く。
「コロナ陽性でした」
家族全員がコロナになってしまった!
家を出ていくまではわりと元気だったのだが、帰ってきてからは少し元気がない。コロナだと診断されてしまうと、嫁はんの病状は一気に進んだ。
幸い自分は症状も軽く熱も下がりつつあるし、みっちーは症状が軽いのかケロリとしているので、子どもの世話はなんとかなる。
今日のところは嫁はんに早めに眠ってもらい、自分もいつもより早めに、ベビーベッドで眠る我が子を見守りながら、リビングのソファで寝た。
金曜日
39度を超える高熱が出てしまい、嫁はんは完全にダウン。いつも楽しみにしている大谷選手の中継も、昨晩更新されたバチェラー6の最新エピソードも、今はまだいいと言う。これは心配だ。
自分も37度前後を往ったり来たりする微熱が続いている。みっちーはまだいつもの元気はないものの、平熱。子どもが無事であれば、まあ良い。
もはやこうなっては家で仕事もできないので、もう仕事はしないと覚悟を決めて、みっちーにとことん付きあうことにした。
嫁はんは喉が痛いというので、昼は冷たいうどん、夜はそうめんを湯がいてつるつるっと食べる。食欲も味覚もちゃんとあるらしい。
昼間寝すぎたせいか夜なかなか眠れず、深夜2時を過ぎてようやく就寝。
土曜日
朝5時過ぎにみっちーがぐずりだし、おむつを替えて慌ててミルクをつくっていると嫁はんが起きてきた。
熱も37度台まで下がり、ずいぶん楽になったと言うが、症状は俺よりもひどく、咳であまり眠れなかったらしい。
みっちーに乳をあげ、飯も食わずにふらふらとまた寝室に戻っていった。
そんな嫁はんも午後になると熱も下がりはじめ、まだ少し咳をしてはいるものの峠は越えた。
俺もまだ37度前後をうろうろしているが、咳や喉の痛みは落ち着いている。
みっちーは、熱も下がってもうすっかり元気になり、ごくごくとミルクを飲み、元気に泣き、いつも通りおしっことうんちをしまくっている。
家族3人、初めてのコロナ感染でどうなることかと思ったが、お陰様で症状も軽く大事には至りませんでした。
まあ、症状としては確かにただの風邪程度ですが、その感染力は凄まじく、なによりたとえただの風邪であっても身体がしんどいことに変わりはなく、予防できるものなら予防し、万が一かかっても症状は最低限に抑えなければならないと、改めて思いました。
いやあ、大変な一週間でした。