ジョナサンで昼飯を食った後、不動産屋に戻って不動産屋の車で件の物件に向かった。
今住んでいる板橋区成増よりも、やや都心より。上板橋にある中古の手頃な、といっても先に述べた理由からそもそも俺には買うことができるのかどうかすら分からないが仮に買えるとしたらギリギリどうにか出せなくもない価格の、嫁はん(仮)が事前にネットで調べてここが良いのではないかと目星をつけていたマンションと、同程度の価格帯で駅の反対側にある中古のマンション。
まず訪れたのは、嫁はん(仮)が目星をつけていたほうではない、川越街道沿いの中古マンション。
マンションの前を車がぎゅんぎゅん走っている。ベランダに布団は干せそうにない。
マンションは全体的に古めかしく、築30年ぐらいだっただろうか。
ちゃんと手入れはされているのでボロくはないが、そこはかとなく昭和な感じが漂う。嫁はん(仮)が以前見ていたチラシの、新築マンションのオシャレで今風なシュットした感じとはほど遠い、厳かでゴツゴツした感じ。
案内された部屋に入ると、内装はしっかりとリノベーションされていて、壁や床、その他風呂とかトイレとか、賃貸のと比べるといくらか高級な感じで統一されている。キッチンはカウンターキッチンになっていて、食洗機も備え付けてある。
なるほど、ええやん。と思ってしまった。買わへんけど。
マンションが古いからか、図面上の広さはそこそこあるのだけれど、そこかしこに柱や梁が出っ張っていて部屋が狭く感じるし、ものを置くとデッドスペースができてしまって実際に狭くなるだろうということが容易に想像できる。
もう1部屋、同じマンションの別の部屋も案内されたが、まあ、そもそもマンションを買いたいなどとは微塵も思っていないのに、最初に案内されたマンションに飛びついたりはしない。
まあ、こんなものか。
と思って駅の反対側、駅前の商店街なども見せてもらいつつ10分弱、嫁はん(仮)がかねてより目星を付けていたという中古マンションへ。
こちらもそこそこ大きく古めかしいマンションだが、昭和の感じはさらに色濃く、子どものころ友だちの家に遊びに行ったみたいな感覚になる。哀愁すら感じる。
先ほどのマンションと同様、内装はキレイでそれなりに今風の造作をしてはいて、おまけに展示用の家具がそのままついてくるという特典もあるのだけれど、嫁はん(仮)もこの部屋を今すぐ買って住みたいとまでは思っていない模様。
なぜなら。
今現在、中途半端に広い部屋に住んでいて、4年近く一人で住んでいた時期もあるのだけれど、2LDKで57㎡ある。家賃は10万5,000円。墓の前。
新しくマンションを買うのであれば、少なくとも今住んでいる部屋よりも広く、月々の支払いはこの部屋よりも安いというのが、ひとつの基準となる。
ところが、今日見たマンション。確かに今よりは広いが、月々の支払いはこの部屋と同程度で、しかも築年数は古い。というか、昭和。
金もないのにローンを組んでまで買って住みたい家か?
答えはNOだ!
不動産屋に戻る車の中、俺と、嫁はん(仮)の意見は珍しく一致していた。
俺は、やっぱり賃貸でええやんけ。と思い、嫁はん(仮)は、もうちょっと都心から離れたらええ物件があるんちゃうん♪ と新たな野望を胸に抱いていたのだけれど。
<続く>





