次の日。嫁はん(仮)は一人で家を出ていった。
これも以前から目をつけていて、志木のマンションの後歩きまわって探してみたが結局見つけられなかった、朝霞の一戸建てを見にいった。
昨晩、俺が家は買わないと言ったためにヘソを曲げてしまい、もうどうせ買わへんやんけと言って、一人で出て行ってしまった。
なので、朝霞の物件の詳しい情報を、俺は知らない。
以下は、数時間後に帰ってきた嫁はん(仮)の証言である。
ー不動産屋は、おっちゃん2人。金のネックレスをしていて強面だが、人が良かった。
ー2,780万円、新築一戸建ての物件。
ーただし、現在はまだ前の家が建っていて、建て替える必要がある。
ーなかなか売れにくい物件であり、家を建ててしまうと1年後に中古物件となってしまうため、契約が締結された後に家を建て直す。
ー建物は、20㎡程度の土地に建てられる、3階建て。
ー場所は、大きな道路からはかなり奥まったところにある、私道の一番奥にある。
ー一応、1階にはガレージがあることになっているが、車の出し入れは困難。というか無理。(車は持ってないし、運転する予定もないけど。)
ー家を建て替えるにあたって、隣家とのトラブルが予想される。
ー以上の理由から、銀行のローンが通らない。相当の頭金が必要である。
買うかい! というか、買えません。
そもそも家がまだ建っていないので、その建物自体を見てはいないのだけれど、そのような話を聞いてきたらしい。
そのような話を聞いた上でもうひとつ他の物件を、これは実際に案内されて見てきたらしく、その家は朝霞台駅から15分の距離ではあったが、やっぱり一戸建てはいいなあ、と思うようなええ家だったらしい。
が、玄関を開けるとすぐに道路で車がビュンビュンで、こんな所に住めるかい!
と、嫁はん(仮)は思ったらしい。
それから、嫁はん(仮)は家の話をしなくなった。
<続く>





