エビとブロッコリーのサラダ上板橋の中古マンションを内見してみて、予算内で都内の中古マンションを買おうとすると、かなり古いマンションになってしまうことが分かった。
俺は、これで嫁はん(仮)のマンション購入熱も少しは冷めるだろうと考えていたのだが、甘かった。
それからも嫁はん(仮)はネットで情報を収集し、俺が仕事から帰って郵便受けに入っていたチラシを手渡しても、それ知ってるわ。と値段から間取りから熟知していた。

前回の内見から2週間後、その間に嫁はん(仮)宛に不動産屋から連絡があったらしく、もう一度駅前の不動産屋へ行ってみることになった。

今回の物件は、埼玉県和光市。

現在住んでいる東京都板橋区成増は東京都と埼玉県の県境で、15分も歩くと埼玉県和光市に入る。
そんな、埼玉県和光市。

今回も成増の駅前から不動産屋の車に乗り込み、前回とは反対の埼玉方面へ向かう。
車で10分ほど行くと、雑木林に囲まれた谷のようなところ。ザ・田舎みたいな。
いったんマンションの前で車から降ろされ、車を停めてきますと言ってしばらく待たされた。

寒い。2月中旬。

このまま凍え死んでしまうのではないかというほど待たされ、ようやく現れた不動産屋と一緒にマンションに入る。
前回の上板橋のマンションよりは新しい。
マンションの入り口には、宅配ボックスだけでなくクリーニングボックスが備え付けてあり、いつでもクリーニングを出し、受け取ることができるという。ええやん。

部屋は上板橋のマンションよりも広く、設備も悪くない。窓からは川も流れていたりなんかして。

田舎じゃん!

案内してもらった不動産屋のにーちゃんには申し訳ないが、そして現在このマンションに住んでいる人にも大変申し訳ないと思うが、二人ともここに住みたいとはまったく思わなかった。
車で案内されたので駅からの正確な距離は把握しきれていないが、とにかく田舎だ。周りになにもないし、谷の底みたいなところなので、どこへ行くにも坂道を登っていかなければならない。

予算内でマンションを購入しようとすると、こんなところに住まなければならないのかと思うと、悲しくなった。
寒い寒い冬の谷底で、不動産屋の車を待ちながら、泣いた。

10分ほど待ったでしょうか。不動産屋の車に乗り込み、次の物件へ。埼玉県和光市のどこかであるということ以外には、もうここがどこだか分からない。
どうということのないマンションの部屋を内見したが、もはやなんの印象も残っていない。

埼玉県の駅からの距離すら分からないほどの田舎でもこの程度のマンションしか買えぬのだから、これで嫁はん(仮)もマンション購入を諦めるだろうと、俺は思った。思っていたのだ。

<続く>